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2024/11/23

第3話 戦うおっかさん~家庭内の秩序は私が守る!(其の三)~




・・・すみません。

「大家族スペシャル~戦うおっかさん編~」まだまだ続きます。
前編・中編・後編の全三部作にする予定が、予想外に延びてしまいました。
収まりきらないので、其の一、其の二、其の三・・・という感じで続きます。

しかも今回はほとんど台詞がなく、文章が非常にくどくなったため読みづらいかもしれません。重ね重ね、お詫び申し上げます・・・・うううっ(涙。


それでも「しゃ~ね~な!読んでやるか!」という心の広い皆様は、
「つづきはこちら」から、御入場お願いします。


最後に自分にツッコミ
「そんなことより、三バカ本の原稿やろうぜ!!」



 

第3話 戦うおっかさん~家庭内の秩序は私が守る!(其の三)~


森に囲まれた郊外の閑静な住宅街の片隅にひっそりと佇む、
壁に蔦のからまる大きな赤煉瓦の家。
築100年以上と思われるこの古びた家は長い間買い手がなく、荒れ放題のまま凄まじい惨状を晒していた。
伝統のある立派な建物にも関わらず、すっかり荒れ果て誰も欲しがらなくなったこの不気味な家は、ある日突然疾風の如く現れた風変わりな一家によって二束三文で買い叩かれた。
近づく者は誰一人としてなく、近隣住民から「お化け屋敷」と忌み嫌われ揶揄されてきたこの家は、「手入れすれば、まだまだ住める!」という鶴の一声ならぬ母の一声の元、一家の血と汗と努力の賜物もあってなんとか家族11人が暮すのに不自由のない状態にまで改築・改装され、今に至る。

そこで今、新たな戦いが幕を上げようとしていた。
右手にはハタキ、左手には雑巾の入ったバケツ。
三角巾とエプロン、ゴム手袋で完全武装した勇者は、
今日もただ一人、戦場へと向かう・・・。


「輝け!!」

掛け声も勇ましく、次から次へと敵に斬りかかっていく。
光の戦士の恩恵を受け、1階のキッチン、リビング、ダイニング、トイレが次々にその輝きを取り戻していった。この家に永らく棲みついていたであろう幽霊・悪霊・魑魅魍魎達がそれこそ裸足で逃げ出すほどに。
1階の掃除が全て終わると、窓枠をつーっと指でこすり、埃が残っていないかどうか確認する。指を目の前にかざし埃が残っていないことを確認し、軽い昼食を取った後、ようやく2階へ向かう。
階段を上ると、廊下を挟んで左右に三つの部屋が、廊下の突き当たりに大きな部屋がひとつある。
2階は主に子供達の部屋となっており、廊下を挟む三つの部屋はそれぞれ長男クラウドと五男スコールの部屋、次男セシルと四男フリオニールと末っ子オニオンの部屋、そして廊下を挟んで長男達の部屋に面した小さな部屋はこの家に生まれた唯一の娘、長女ティナの部屋となっている。
それ以外にはウォークインクローゼットが2箇所、トイレ、バスルームがそれぞれ2つある。子供の数と比べると限りなく少ない共用スペースだが、それでも大家族につきものの毎朝トイレを巡る争奪戦が起こらないのは果たして母ライトの厳しい躾による賜物か、はたまたそれぞれ起床時間に若干の時差があるせいなのかは神のみぞ知る。
これまた母の厳しい躾の賜物か、長男達、次男達、長女の部屋は比較的きちんと片付いている。
共用スペースの掃除を終わらせると、視線を廊下の奥にやる。
廊下の一番奥にあるのはこの階で一番広い部屋で、
通称「禁断の間」と呼ばれている。
ここは唯一、母ライトの躾が行き届かない一家の所謂「治外法権区域」でもある。
ドアのノブに手を掛け開けようとするが、なかなか開かない。
鍵が掛かっているのかと思い合鍵を使って開けようとするが、ビクともしない。
「くっ・・・引き下がるつもりはない!」
ノブを持つ手にぐっと力を込めると、おもいきり引っ張った。その瞬間・・・。

「!!!」
ドドドーと凄まじい音を立てて、雪崩が起こった。
崩れ落ちてきたのは・・・着古してよれよれになった服、ボロボロの毛布、リュックサック、雑誌、漫画の山。何故かチョコボの飼育本やら餌まである。
邪魔な障害物の山をひょいと長い足で難なくまたぎ部屋に入ったライトは、想像を遥かに絶する惨状に思わずその秀麗な顔をしかめた。
この部屋には三男バッツ、六男ティーダ、七男ジタンが住んでいる。
所謂、一家の「問題児トリオ」である。
朝、このバカ息子達を起こしに部屋に押し入ったときは、ここまで酷くはなかった。
おそらく着て行く服やら学校に持っていくものやらが見当たらず、短時間の間に部屋中しっちゃかめっちゃかにひっくり返して探し歩いた結果がこの有様なのかもしれないが・・・。
床中所狭しと落ちているのは服、靴、雑誌、空き缶、スナック菓子の袋、何故かチョコボの羽やら空の酒瓶まである。それぞれのベッドはもちろんベッドメイクなどされているはずもなく、脱ぎ散らかした服やら下着やらが散乱していた。
デスクの上には勉強のための本はほとんどなく、漫画や雑誌がごったがえしていた。
息子達の性格は母である自分が一番よく知っている。
これが一家にとって、なんら物珍しい光景ではないということも。
しかし、いくら寛容な人間にも、忍耐には限度というものがある。

「・・・これはお説教が必要だな。」
軽い眩暈を覚えつつ、新たな決意を胸に、勇者は子供部屋を後にした。


この家には1階の一家の共同スペースと2階の子供部屋、地下のランドリールームと倉庫、その一部を改造して造った娯楽室、食料貯蔵庫のほかに3階の主寝室がある。
この部屋は子供達の間では秘かに「聖域」と呼ばれ、両親以外は通常立ち入り禁止区域とされている。所謂、夫婦のプライベートスペースである。
3階の全フロアーを占め、家中で恐らく一番立派であろうと思われるこの部屋は、夫婦の寝室と専用のウォークインクローゼットとトイレ、バスルームを備えている。
真面目で几帳面な妻と、その調教の賜物からか夫の協力も得られるおかげで、この部屋は常に整然と片付いている。
今は3階の掃除の必要がないと判断した彼は、洗濯物を片付けに地下のランドリールームへ向かった。
階段を降り地下室を覗くと、古びた大型洗濯機がその任務を終え、静かに次の指令を待っていた。老兵の健闘をたたえつつも、容赦なくその大きく開けられた口に次の洗濯物の山を突っ込む。
たったの一日分とはいえ、11人分の洗濯物なのだ。一回で終わるはずがない。ましてや腕白盛りの息子が何人もいるのだ。服の汚れも半端ない。
ふと調子外れな間抜けな音を響かせ、時刻を告げる壁の古びた鳩時計。
視線を移すと、子供達の帰宅時間が刻々と迫っていた。
ぐずぐずしている猶予はない。2度目の洗濯物を待つ間に、そろそろ夕食の準備に取り掛からねば・・・!
頭の中で素早く今晩のレシピを組み立てると、食料貯蔵庫へ必要な食材を取りに行った。もちろんキッチンにも大きな冷蔵庫があるのだが、一度に貯蔵できる量は限られている。家族11人分の食事を準備するには到底追いつかない。ましてや育ち盛りの息子達が8人と、その巨大な体躯とパワーにふさわしく万年欠食児童並みの食欲を誇る大食漢の夫がいるのである。食べる量も尋常ではない。
両手いっぱいにバゲットと大きな肉の塊、大量の野菜を抱え、キッチンへと向かった。

キッチンと地下のランドリールームを何度往復したことであろうか・・・。
玄関ホールの壁に立て掛けられたのっぽの古時計が、これまた調子外れな不気味な音を上げ、時刻を告げた。視線を窓の外に移すと、西の空へ沈もうとしている太陽。
洗濯もすっかり終わり、次第にキッチンにもいい匂いが立ち込めてきた。
バゲットと焼いた肉を人数分に切り分け、巨大な皿にサラダを盛り付け、魔女が使うかのような巨大な鍋でポトフを煮込んでいると、次第に玄関のあたりから賑やかな声が響いてきた・・・。

 

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2010/01/23 大家族スペシャル Trackback() Comment(0)

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