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2024/05/18

大家族スペシャル外伝~黒い粉には手を出すな(前編)~


ようやく忙しい一週間が終わり、やっと腰を落ち着けてアホ小説に取り掛かる時間ができたので、DFF大家族スペの続きがやっと書けます。やれやれ・・・。
と、言いつつも、「戦うおっかさん」シリーズの続きではなく、いきなり外伝で恐縮ですが・・・(滝汗。
オンドリャ本編が終わらんうちに、外伝とはどういう了見なんぢゃワレ!?と言いたいところでしょうが、どうかお付き合い宜しくお願いします・・・滝汗。

実はコレ、大家族モノやるときは絶対にやろうと思ってずっと暖め続けてきたネタなのです。元ネタは、子供の頃に読んだ外国の絵本・・・どうやらアメリカの笑い話のようですが(汗。

しょうがね~なあ!つきあってやるか!という勇者様な皆様は、
「つづきはこちら」から、ドゾ♪

そうでない皆様は、この動画でも見て楽しんで行って下さいw
あ~~~~もう、WOLがかっこよすぎて可愛すぎて、どうしてくれよう・・・!(爆死)



ガーさんがド変態すぎて、もはやかっこよすぎる件(もはや末期
このWOLが可愛すぎて、可愛すぎて・・・!!

WOLじゃないけど、この三人も可愛すぎる♪
→DFF三兄弟



ちょっ・・・・!この歌、超懐かしすぎる・・・www



大家族スペシャル外伝 黒い粉には手を出すな(前編)


それは、とある一家団欒での出来事。
芳醇な紅茶の香り漂う中、シナモンの豊かな香り漂うデザートのアップルパイをつつきながら穏やかに談笑していた家族達に突然、母から衝撃の事実が告げられた。
寝耳に水ともいうべきその発言に、途端に騒然となる一家。

「ええ~~~っ!それ本当ッスか、母ちゃん!?」
思わず素っ頓狂な声をあげたのは、六男ティーダ。
「で、いつだって?」
敢えて冷静を装って尋ねながらも、内心の動揺を隠し切れない長男クラウド。
「来週の日曜日だ。くれぐれも粗相のないよう、お前達もちゃんと準備しておくのだぞ。」
「うわ~~~い、やったぁ!」
「わかった。俺達にできそうことがあれば何でも言ってくれよな、母さん。」
喜びはしゃぐ末の弟と長女とは裏腹に、何かを決意したかのようにまっすぐ母を見つめる四男フリオニール。
やれやれ、こりゃ忙しくなりそうだぞ、と互いに顔を見合わせては、ふっと肩をすくめる父と年長の息子達。
家族それぞれの想いが交差する中、あっという間に時は流れ、ついに「その日」を迎えるに至った。

その日は、朝からずっと家中に忙しない空気が満ちていた。
それもそのはず、今日は一家にとって「特別なお客様」がやって来るのだから・・・。
週末にもかかわらず、会社の重役会議に緊急招集された父ガーランドを除く一家全員も、いつになくバタバタと忙しげな様子を見せている。
朝からキッチンに篭り、腕を奮って御馳走を作る母ライト。
子供達も皆、いつもの我が家と違う雰囲気にそわそわと落ち着かなげな様子を見せている。
そう、一部を除いては・・・。

「あ、こら!」
冷蔵庫から食材を取り出そうとして母がふと目を離した隙を突き、カウンターの上の大皿に盛り付けてあるカマンベールチーズとキャビアを乗せたカナッペをひょいと奪い去る。
「へへ~~んだ!おっそいよ~~~♪」
カナッペを口に銜えた七男ジタンをつかまえようとした矢先に、今度は三男バッツに別の皿に盛ったウイスキーボンボンを掻っ攫われてしまった。
「ナイス、ジタン!」
「ど~んなもんだい!」
ガッツポーズをかまし、パンと手を叩き合うバッツとジタン。敵ながら実に見事な連携プレイである。
すばしっこいバカ息子達のいたずらコンボ攻撃を喰らい、柳眉を釣り上げる母ライト。
「よし!今度は俺がおとりになるから、その隙にお前はあの皿のメロンの生ハム巻きを狙え。」
調子に乗った三男バッツ。弟ジタンにひそひそよからぬ企みを耳打ちしながら、作戦会議中。
「ラジャー。」
おどけた調子で敬礼の仕草をする七男ジタン。
またウイスキーボンボンを狙い、掻っ攫おうと身構えるバッツ。
獲物に飛び掛る猫のようにしなやかな仕草で飛び出そうとした、その矢先・・・・!

びゅん!

何やら光る鋭利な物体が飛んできて、バッツの鼻先ぎりぎりをかすめ、彼のすぐ横の壁に突き刺さった。
壁に突き刺さったのは・・・・なんと、包丁!
「母ちゃんのへったくそ~!当たんね~よ。」
「お・・・おい、バッツ・・・!」
ピンチすれすれの状況においてなお、おどけた態度を崩さない三男と、自分達の置かれた事態がかなりヤバイことを察知し、慌てて兄を諌める七男ジタン。
「わざと外したのがわからないのか、この愚か者が。だが、今度やったら次はないと思え。」
母のナイフ投げの腕前はよく知っている。母が一度言ったことは、必ず実行に移すことも・・・。
突き刺さった包丁を壁から抜き去りいったん作業を中断すると、野生の豹もかくやともいうべき鮮やかな動作で息子達を捕らえた母。
そのまま軽々と二人の腕をねじり上げる。
「「イタタタ・・・!痛いイタイよ母ちゃん!!」」
「もう私の邪魔はしないと約束するか?」
「する!するから離して~~~!!」
「わかったから、カンベンしてくれよ母ちゃ~ん!」
ほぼ涙目で懇願してくるバカ息子ども。だが、それで許すほど甘い母ではない。
「いいや、ダメだ。お前達には一度じっくりお灸を吸えてやらねばと思っていたところだ。」
そのまま息子達の腕をぐいぐいひっぱると、地下へ向かう階段を降りていった。

この家の地下には、食料貯蔵庫、倉庫、ランドリールーム、娯楽室以外に、秘密の小部屋がある。
通称「恐怖の折檻部屋」と呼ばれるその小部屋は、かつてはワインセラーとして使われていたが改築され、今は悪童対策用地下牢として使用されている。
そこに二人を放り込むと、隣の娯楽室でゲームに興じている長男クラウドと五男スコールに声をかけた。
「お前達。悪いが、この二人を見張っててくれないか。」
「すまないが、急用を思い出した。また後でな。」
そう言うが早いか、そそくさと退場する長男クラウド。後に残されたのは五男スコールのみ。
(・・・・ずるいぞ、クラウド)
これはスコールの心の声。兄弟達のように上手く危機を回避できるほど要領もよくなく、また逃げ足の遅い自分はいつも最後に残って貧乏くじをひかされる羽目になる。
「ならば、スコール。頼んだぞ。」
「・・・・・ああ、わかった。(どうして俺が!?)」
本当は自分も逃げたいところだが、母の鋭い三白眼にまっすぐ見つめられると、蛇に睨まれた蛙のように体がすくんでしまう。
自分も同年代の少年の中ではかなり背が高いほうだが、それよりも遥かに長身の母に見下ろされると、なんともいえない威圧感を感じてしまう。
所詮、この家で絶対権力者の母に勝てる存在など、いるはずないのである。
母の命令は、天からの命令。背く事など許されない。
そう考え、ここは逆らわないほうが賢明だと判断したスコールは、しぶしぶ母の命令に従うことにした。

やれやれ、つまみ食いをしようとするバカ息子どもがいなくなったところで、これでやっと仕事を再開できる。
ほっとひといきついたそのとき、玄関のドアフォンが鳴った。
玄関まで向かい、ドアを開けると、現れたのは大きな袋をかついだ精悍に日焼けした男。
「よっ!奥さん。例のブツを持って来たぜ。」
「ああ、ありがとう。いつもすまんな。」
「いいってことよ!お得意様なんだから、配達ぐらいなんてことねぇよ。それに奥さん、美人だからいくらでもサービスしちゃうぜ。」
目の前の日焼けした男・・・肉屋の主人ジェクトは悪びれることなくそう言うと、ウインクしながら精悍な顔にいたずらっぽい笑みを浮かべてみせた。
このジェクトという男、その精悍に引き締まった容姿と野性味溢れる男らしい色気、そして上質の肉を見極める確かな目と精肉の腕前、陽気で屈託のない態度から、近所の奥様方からかなりの人気を誇っている。彼に心秘かに懸想する御婦人方も多いという。
しかし、そんなこと全く知ったこっちゃないとでもいうように、いつもの如く鉄面皮とも言える氷のような美貌を崩すことなく、代金を支払い、大きな袋を受け取るライト。
「まいどあり~~~!」
おおげさな仕草でお辞儀する肉屋ジェクト。用が済んだらさっさと帰れ、とでも言いたげなその後姿を見送りながら、心の中でひとりごちる。
「あいかわらずそっけないよな~~~。ま、そこがいいんだけどな。」
彼は夢にも思うまい。ジェクトが心秘かに、この「氷の女王」に心惹かれていることなど・・・。

やっと材料が揃ったところで、料理を再開した母ライト。
自慢の腕を奮って、メインディッシュのキドニーパイを作りにかかった。
キドニーパイは細切れにした牛肉と牛の腎臓を詰めて焼いたこの地方の伝統的な家庭料理の一つで、一家全員お墨付きのライトの得意料理である。
肉と内臓は鮮度が命。だからいつもまとめて買い置きしているところを、今日だけ特別に配達を頼んだのである。
筋と脂肪を綺麗に取り除いた腎臓を丁寧に水洗いし、細切れにしたところで、内臓独特の臭みを消すために30分ほど塩水に浸しておく。
この間にもぼやぼやしていられない。お客様のやってくる時間は刻々と迫っている。そう考え、今度は家の掃除にとりかかった。
手早く玄関口の掃除を終わらせると、パイの下ごしらえにかかる。
塩水につけておいた腎臓も、ちょうどいい感じに臭みが抜けている。しかし、これではまだまだ不十分だ。
牛肉をみじん切りにして腎臓の細切れと混ぜ合わせ、塩と胡椒をよく刷り込み、小麦粉をまぶしてからバターで炒めた後、いったん取り出す。
同じフライパンでみじん切りにした玉ねぎとマッシュルームを炒め、バターで炒めた牛肉と腎臓を一緒に混ぜ合わせてから、さらに炒める。
このとき、白ワインと生クリームを加え、味をまろやかにすることも忘れない。この後、塩・胡椒・ハーブ等を加えるのだが、ここで忘れてはならないのが隠し味。
これがなくては、一家にとってのキドニーパイとしては不合格である。
と、ここで一階の床掃除がまだだったことを思い出した母ライト。
ふとあたりを見回すと、先程都合よく逃げ出した長男クラウドがうろうろしている。
「クラウド、ちょうどいいところに来た。キドニーパイにデッドペッパーを入れてくれ。」
キドニーパイにふんだんに使われる腎臓には内臓特有の強烈な臭気があり、その臭みを消すために隠し味としてデッドペッパーを使うのが一家の慣わし。
こうすることで内臓独特の臭みが取れ、ぴりりとしたちょうどいいスパイスになる。
デッドペッパーとは南国で取れる珍しい香辛料の一種で、漢方薬としても世界中で使用されている。
ただ殺人的な辛さを誇るため、使用には細心の注意を払う必要がある。
「すまない、母さん。今、バイクの整備をしているところなんだ。弟達に頼んでくれないか。」
そう言うと、油で真っ黒に汚れた手を母に見せた。
「・・・そうか。なら仕方ない。」
いつもマイペースな長男に、これ以上彼に追求しても無駄だと判断した母ライト。ひとまず玄関ホールと廊下の掃除を終わらせると、庭の掃除をしようと表に出た。
庭に出ると、四男フリオニールが庭仕事にいそしんでいた。
無駄だと思いつつも、とりあえずダメもとで声をかけてみる。
「フリオニール。キドニーパイにデッドペッパーを入れてくれないか。」
すると案の定、すぐさま予想通りの返事が帰ってきた。
「ごめん、母さん。今、のばらの手入れで忙しいんだ。一区切りついたら、後で手伝うよ。」
言うなり、泥まみれの手を見せた。
「わかった。他を当たるとしよう。ところでセシルを見なかったか?」
いつも親孝行な次男の姿を思い浮かべ、彼なら手伝ってくれるだろうと思ったが・・・。
「ああ、セシル兄さんなら、さっき買い物に出かけたよ。」
「そうか・・・。わかった。」
幸い、庭はフリオニールのおかげで綺麗に片付いていた。のばらが増殖していたことを除いては・・・。
庭の掃除はこれ以上必要ないと判断し、家の中へ戻って行った。

ひとまず1階の掃除をしようとリビングに戻ったら、長女ティナと末息子オニオンの姿があった。
二人とも、なにやらそわそわと落ち着かない様子で、あちこち行ったり来たりしている。
声を掛けようとしたところ、母の姿を見つけ、長女ティナが問いかけた。
「あ、お母さん!ちょうど良かったわ。私のリボンを見なかった?」
よく見ると、いつも可愛らしいピンクのリボンで束ねられている彼女の波打った綺麗な金髪が、束ねられることなく肩に流れ落ちている。
それはそれで彼女が可愛らしいことには変わりないのだが、いつもきちんと束ねられている髪がそのままなのが彼女にとってはどうも気持ち悪く、落ち着かないらしい。
「さあ、見ていないが・・・。部屋は探したのか?」
「ええ、でも見つからないの・・・!」
今にも泣き出しそうな長女。へなへなと床へ崩れ落ちた。そこへ慰めるように、ぽんと姉の肩を叩く末息子。
「泣かないで、お姉ちゃん。僕がなんとしても探し出してみせるから!」
誇らしげに胸を張って宣言する弟オニオン。大好きな姉の悲しげな表情を見るのが、彼にとっては一番つらいことなのだ。なんとしても姉を励まそうと必死である。その幼くとも頼もしげな姿に少し元気付けられたティナ。
「ありがとう。リビングにはないみたいだから、2階を探してみましょう。」
「うん!行こう、姉ちゃん。」
笑顔を取り戻した姉に安心した弟。手を貸して姉を立たせると、意気揚々と二階への階段を上って行った。
二階へ向かう小さな二つの後姿を見送りながら、これはとても何かを頼める雰囲気じゃないな・・・と判断した母ライト。
仕方ない、まだ六男ティーダがいる。彼に頼めば・・・と思いかけたそのとき!

ズド~~~~ン!

凄まじい轟音が家中に響き渡った。
どうやら音は家の外から聞こえてくるようだ。
急いで表に出た母が見たものは・・・・・。

「こら!何やってる!?」
「よっ、母ちゃん!もうメシの時間ッスか?」
悪びれることなく、振り返る六男ティーダ。
なんと、壁を相手にブリッツボールの練習中。
「お前は家を壊す気か!?いい加減にしろ!」
「そんなわけにはいかないッス。来週のブリッツの試合のためにも、シュートを練習しとけって監督から言われたんッスよ。」
壁に弾き返されてきたブリッツボールを再び壁に向かって蹴りだした、次の瞬間!
剛速球のボールは、壁に当たる前に母の堅固な防御によって見事に喰い止められた。
「さっすが俺の母ちゃん!いいゴールキーパーになれるッスよ。」
ヒューっと口笛を吹き、まったく悪びれた様子も見せない六男ティーダに、毅然と言い放つ母。
「今すぐやめるんだ。さもないとボールは返さんぞ。それにトレーニングなら、ここじゃなくってもできるだろう。」
「わ~~~ったよ、母ちゃん。なら近所をジョギングでもしてくるッスよ。」
母が頼み事をする間もなく、さっさとボールをしまうと、あっという間に走って行ってしまった。
ひとり残された母ライト。その後姿を見送りながら、誰にともなくひとりごちた。
「やれやれ、子供が9人もいるというのに、(スコール除き)誰も私の言うことを聞いてくれないとは・・・嘆かわしい。」

しかし、落ち込んでばかりもいられない。こうしている間にもお客様の来る時間は刻々と迫っている。
気を取り直し、料理を再開しようとキッチンへ向かった。
調味料の棚の奥から彼が取り出したのは、海賊旗などでお馴染みのジョリー・ロジャー(頭蓋骨と交差した二本の大腿骨のマーク)印の入った、なにやら不気味な黒い瓶。
これこそが世界に名だたる調味料メーカー、ジョリーロジャー社が誇る最強兵器デッドペッパーなのである。
恐ろしく強力な香辛料であるため、ほんの小さじ半分ぐらいの使用で十分だ。それ以上の使用は命取りになりかねない・・・。
細心の注意を払いつつ、適切な分量を計ると、その少量の黒い粉を他の具材と混ぜ合わせた。
パイの中身ができたところで、それらを包み込むパイのダンプリング生地を作ろうとしたが、その前に1階の掃除がまだ終わってなかったことを思い出した母ライト。
ひとまず料理は中断して、掃除の続きに取り掛かった。


 

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2010/03/01 大家族スペシャル Trackback() Comment(0)

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