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ども。いろいろあったけど、なんとか生きてます。
今週末でかなり心身再建を図れたので、いろいろリハビリしてますw
リハビリの一環として、短い話ですがアップしました。
またまた本編そっちのけで、外伝ですが・・・・すみませんorz
しかも、ヤマもオチもなにもないという救いようのない話になっちゃいました。
赤ちゃんに振り回される家族が書きたかっただけなので・・・。
それでも「読んでもいいよ~~~」という寛大な皆様は、「つづきはこちら」からどうぞ♪
例によって、原作のキャラのイメージ大崩壊につき、閲覧には御注意下さい。
さくらんぼの実る頃
ゆりかごの中で、すやすやと安らかな寝息を立てて眠る生まれたばかりの小さな命。
体中から甘ったるいミルクの匂いを漂わせ、満足げに眠るその姿はあまりにも小さく無垢で、今にも壊れそうにか弱い。
そしてゆりかごを取り囲んで食い入るように見つめるのは、好奇心に輝く6組の瞳。
「うっわ~~~、ちっちゃいな~!!」
「ふん、きょうみな・・・・くないね。」
「よちよち~。おにいちゃんでちゅよ~~~。」
「か~わい~い~な。」
「ほんと、おにんぎょうさんみた~い。」
「・・・・・(ぼくのほうがかわいいいのに。)」
「あぁ~~~う!」
「でもホントよくねてるよな~。ちゃんといきしてんのか?」
言うなりおもむろに指を伸ばし、ふくふくと柔らかな白い頬をつついた。
次の瞬間・・・!
ほぎゃああああ!ほんぎゃあああああ!!
「何!?どうした?」
火がついたように泣き出す赤ん坊。その声を聞きつけ、駆けつけてくる母。
そのままゆりかごから彼女をそっと抱き上げると、優しく抱きしめ、あやしつける。
泣き止んだのを確認すると、またそっとゆりかごへ戻す。
娘を再び寝かしつけると、今度は鋭い視線を息子達に投げつけた。
「誰だ?ティナを泣かせたのは・・・。」
何が起こっても至って冷静な態度を崩さない母ライト。だが、内に秘めたその静かな怒りを子供心ながらに感じ取って思わず恐れをなしたのか、口々に言い訳する息子達。
「あかちゃんなんて、きょうみないもん、おれ。」
大人ぶった態度で、そう言うのは長男クラウド。
今年やっと小学校に入学したばかりの彼は、ぴかぴかの新しい黒いランドセルを買ってもらって上機嫌な様子である。小学生になって兄弟の誰よりも早く大人に近づいたことがうれしくてしょうがないのだが、照れくさいせいか敢えてクールなふりを装っている。
「ぼくじゃないもんね~。」
ぺろっと舌を出し、いたずらっぽく言うのは、次男セシル。今年5歳になる彼は、少年にしては優しげな整った顔立ちとゆるやかに波打つ母譲りの柔らかな銀髪を肩まで長く伸ばしているせいか、まるで可愛らしい少女のように見える。
「・・・・ぼく、ちらない。」
お気に入りのライオンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめてぷいっと母に背を向け、ふてくされた様子で言ったのは、五男スコール。2歳になったばかりの彼は柔らかいブルネットの髪と人形のように整った可愛らしい顔立ちとは裏腹に、只今第一次反抗期真っ只中で非常に扱いにくく、さすがの母も手を焼いている。
「だ~~~~ぁ!」
今年で1歳になる六男ティーダは、やっとよちよち歩きができるようになったばかり。生まれつき活発で落ち着きのない性格のせいか、はたまた好奇心旺盛なせいか、歩けるようになったおかげで家中あちこち冒険し、家の中のものを破壊してまわっては、冷静な母をハラハラさせている。
「あのね、ママ。ぼく、しってるよ。ティナおこしたの。」
大きなヘイゼル色の瞳をまっすぐに母に向け、そう言ったのは四男フリオニール。
まだわずか3歳だが、年の割りにしっかりした口調とくるくるとよく動く表情から、既にその活発さと聡明さが伺える。男の子なのにお花、特にのばらが大好きな一風変わった三歳児である。
言うなり、彼がまっすぐ指差した先には・・・・。
「ちょっ・・・、いうなよ~~~フリオ!」
口をとがらせて弟を睨みつける三男バッツ。
4歳になったばかりでやんちゃざかりの彼はいたずらが大好きで、いつもトラブルを起こしては母から大目玉を食らっている。
「また、お前か・・・・。」
小さく溜息をつくと、その癖のある栗色の頭を大きな手でがっしり押さえ込み、息子の目線まで屈みこむ。
「今度またやったらどうなるか・・・わかっているだろうな。」
母の鋭いアイスブルーの三白眼にまっすぐ睨みつけられ、まるで蛇に睨まれた蛙のように思わず硬直してしまう三男バッツ。
どんなに幼い息子相手でも決して容赦しないのが、母ライトの根本的な教育方針。たとえ幼児でも悪さをしたときは、全力で叱りつける。
その圧倒的な迫力に気圧された三男バッツ。思わず泣き出しそうになるのを必死で堪えつつ、黙って頷いた。
「わかったなら、いい。以後、気をつけるんだな。」
息子の頭を押さえていた手を退かし、母が立ち上がろうとしたそのとき・・・!
ぎゃああああ!!ほぎゃあああああ!!!
それまで大人しく眠っていた赤ん坊、ティナが再びけたたましい泣き声を上げた。
ゆりかごに歩み寄り、激しく泣いている長女を抱き起こす母。しかし、いくらあやしつけても一向に泣き止む気配を見せない長女ティナ。
「一体どうしたというのだ、ティナ?何がそんなに気に入らない?」
そっと娘の体を探ってみる。オムツは濡れていない・・・ということは、考えられる要因はあとひとつ。
そのまま彼女をゆりかごにそっと戻すと、息子達に向き直り、
「すぐに戻ってくるから、お前達はティナを見ていてくれ。」
言うなり、キッチンへ姿を消した。
しばらくして、子供達の元へ戻ってきた母。その手には、温かいミルクが入った哺乳瓶が握られていた。
それを見て、ざわめく息子達。
「ママー!ぼくがミルクあげる~~!」
「ぼくも~~~~!!」
「だ~~~め!ぼくがあげるの~~~!」
「おまえら、うるさい。おにいちゃんのおれがあげるの~!」
誰が妹にミルクをあげるのか言い争う幼い息子達。皆、初めてできた妹が可愛くて可愛くてしょうがないのだ。
と、そこへ鶴の一声ならぬ母の一声が飛んだ。
「静かにしろ!ティナがまた泣き出すだろう。」
途端に水を打ったように静まり返る息子達。
「待たせたな。しっかり飲むのだぞ。」
息子達を黙らせると、娘の口許に哺乳瓶をあてがう。
するとよっぽど空腹だったのか、ちゅぱちゅぱと音を立てて哺乳瓶に食いつき、凄まじい勢いでミルクを吸い上げる長女ティナ。
ミルクをすっかり飲み干してお腹が満たされると、しょぼしょぼと大きな澄んだ青い瞳をしばたたかせる。どうやらおねむらしい。
そのまま彼女を抱き上げ、ぽんぽんと優しく背中を叩いてげっぷさせると、再びゆりかごの中に寝かせた。
娘を寝かしつけると、つまらなさそうな顔をする息子達に言い放つ。
「いつまでそこにいるつもりだ?お前達もそろそろ寝る時間だろう。」
まだまだ遊び足りず、不満げな息子達を半ば強引に子供部屋に追いやると、これから帰宅してくる夫の夕飯の支度をするため、キッチンへ戻っていった母ライト。
ゆりかごの中ですやすやと気持ちよさそうに眠る長女ティナだけを残し、誰もいなくなった部屋。
と、そこに巨大な人影が・・・。
「た~~~だいま。パパでちゅよ~~~~。」
天井に届きそうな巨体を屈め、部屋に入ってきたのは、やっと仕事を終え帰宅した父ガーランド。
その厳つい容貌と渋い重低音の声におおよそ似合わない赤ちゃん言葉で娘に話かける。
ゆりかごの中で眠っている娘を覗き込むその顔は、今にも蕩けそうだ。
2mを軽く超える筋骨隆々とした巨躯。右目の上を走る大きな傷、ブロンズ色に焼けた肌、肩まで無造作に伸びる赤銅色の剛毛。端整だが精悍で厳つい顔立ち。
道を歩くと、彼を知らぬ人々は皆その威風堂々たる容貌に恐れおののき、子供達は泣き出す。
職場ではその妥協を許さぬ猛烈な仕事ぶりに、同僚や部下達からは「最強の猛者」、果ては取引先や上司達からも「社長カオスの懐刀」と呼ばれ、一目置かれ畏怖されている彼だが、いったん家庭に戻ると「優しい父親」の顔になる。
ましてや家では、最愛の妻とやんちゃだが可愛い子供達が待っているのだ。これで骨抜きにされないと言えば嘘になる。
す~す~と安らかな寝息を立て、気持ちよさそうに眠る娘をじっと見つめる。
男所帯のこの一家に舞い降りた、小さくて無垢な天使。愛しい我が娘よ。
もちろん息子達も皆、可愛いのは言うまでもないが、七人目にしてやっと生まれた待望の女児、可愛さもひとしおである。
ふっくらとした薔薇色の頬に影を落とす長い睫毛、すっと鼻筋が通った高い鼻梁。
赤ん坊ながら、母親譲りの繊細で端麗な顔立ち。成長した暁には、さぞや美人になることであろう。
すっかり蕩けきった表情で、愛娘の寝顔を惚けたように見つめる父。
しかし、その穏やかな時間は、突然火がついたように泣き出した娘によって破られた。
ほぎゃあああああ!!ぎゃあああ!ふんぎゃああああ!!
途端に立ち上ってくる異臭に、思わず眉を寄せ、硬直する父ガーランド。
泣き止まない娘を抱き上げると案の定、しっとりと濡れているオムツ。
「母さんや~~~!どこにおる?来てくれ~~~!」
「ほぎゃあああああ!!」
父ガーランドの悲痛な叫び声と末娘ティナの鳴き声の大合唱が、夜のしじまに響き渡った。
さくらんぼが白い花を咲かせ始めた、あるうららかな春の宵のことであった。
2010/04/12 大家族スペシャル Trackback() Comment(0)
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